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出国準備の記録を経て、いまはフランス滞在日記。
ロワールの曲がり角で
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La Balade de Yaya(ヤヤの長い旅) Tome: 1
2011-07-16-Sat  CATEGORY: バンドデシネ
Jean-Marie Omont・作、Golo Zhao・画 (2011)

yaya1.jpg

 正直に言います。この第1巻は、私が初めて最初から最後まで読み通したフランス語の本である。これまで、日本の漫画のフランス語版やふつうの大判のバンドデシネを買って読もうとしたけれども長続きせず、かといって幼児向け絵本にトライしてもあまりに自分の世界と違いすぎて結局放り出す始末だった。本書は、買ってからネットで情報を見たら「ジャンル:子供 対象年齢:10歳以上」とある。少々がっかりしたが、実際、今の自分が語彙を増やすのにはこの程度の本がちょうどいいことを読みながら実感した。だいたい中2で習う英語の教科書レベルだと思う。その後は逆にそれを指針にして、自分が仏語勉強用に読む本には基本的にローティーン向けの本を選ぶようになった。



 La Balade de Yaya の舞台は 1937 年の上海。資産家の一人娘ヤヤはピアニストになるのが夢。しかし時代は戦争に突入している。夢への第一歩となるはずのピアノコンクールの当日に、一家は難を逃れるべく香港行きの船に乗らねばならない。どうしてもコンクールに出たいヤヤは、夜明けにこっそり家を抜け出して街へ。そのときまさに戦闘が始まり、街は爆撃で破壊される。爆風に飛ばされて気を失ったヤヤは、浮浪児の少年テュデュオに助けられる。こうして2人の長い旅が始まった。…

 絵がとても美しくて好感を持った。多少、鳥山明の影響を受けているように見える。ちょっと千田悟史の絵にも似ている(この画家が千田悟史を知っている可能性は低いと思うけど)。でも描き込み、色使いともに丁寧なのが個性だと思う。

 本作はシナリオはフランス人、画家は中国人、舞台は租界のある上海という国際色豊かな作品。この先、日本人やフランス人も作中に登場するのかも、などと想像したり。全9巻になる予定だという。第1巻ではまだ話が始まったばかりなので、ストーリーの感想は控えておきたい。ただ冒頭に「1937 年 11 月」と時代設定が記されているのだが、11 月には第二次上海事変の戦闘はほぼ終わっていたのでは? 考証はきちんとされているのかな、と若干疑問も抱かないでもない。

 ともかくしばらくは続刊を読んでいこう。小さな男の子と女の子が連れ立って放浪するという話は個人的にツボなので。

yaya2.jpg

 ああ2巻出てたんだ、買わなきゃ。
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Les Années Douces(センセイの鞄)
2010-08-29-Sun  CATEGORY: バンドデシネ
川上弘美・作、谷口ジロー・画、Elisabeth Suetsugu・訳 
(2010 フランス発売)


 昨日立ち寄った書店で発見。『漫画アクション』で連載されていたのはたしか昨年だったから、わりと早く翻訳されたなと思う。谷口ジローがフランスで注目されている作家であるためなのは間違いないだろう。
 前に書いたことと重複するけれど、フランスで日本の漫画は多数翻訳・出版されているが、それらは基本的に「Manga」というカテゴリーで括られていて、売り場でも「バンドデシネ (BD)」とは別の棚に並んでいるし、判型も日本でのそれが踏襲されるから当地の BD とは違う軽い感じの本となる。しかし谷口ジローは数少ない例外で、彼の作品は BD の作品群と同様の重厚な判型に装丁し直され、BD の仲間として店に並ぶのである。
 調べたら、川上弘美の原作小説も 2005 年に仏語訳が出ていて、好評を得ていたようだ。漫画アクションで谷口+川上のコラボをやろうと発案したのが誰なのか知らないけれど、最初からフランス語圏での翻訳・出版までも想定していたのかもしれない、などと勘ぐったり。

 日本漫画が欧米で出版される時にいつも気になるのは、本の開き方向が逆になった時に絵がどうなっているかということ。
 昔は右開きを左開きに変換するために絵を左右反転するのが普通だったが、最近の Manga は基本的に(文字は横書きであるにもかかわらず)反転をせず、日本と同じく右開きで出版されている。慣れない読者のために、親切に日本式のコマ進行順序を図示している漫画本も多い。
 しかし谷口作品は BD だから、今も左開きなのだ。そこでネットで入手できる同作品の日仏両バージョンの画像を使って絵の向きを調べてみた。

rentree_annees_douces_image1.jpg sensei_no_kaban_image1.jpg

 やはり基本的には左右反転されてますね。結果として仏語版ではすべての登場人物が左利きになっている。まあ仕方が無い。もし絵の反転をせずにコマ配置のみを左右逆にしたりすると、人物の視線やイマジナリーラインなどとコマの進行方向の関係がめちゃくちゃになってしまうだろう。
 ただし、一部のコマは反転されていないことに気付く。

rentree_annees_douces_image2.jpg sensei_no_kaban_image2.jpg

 上のページの1コマ目の風景絵は、反転されていない。基本的に風景主体のコマは極力反転しない方針が取られているようだ。流れを不自然にしないために、必要に応じてフキダシの位置が変更されている。こういった反転の有無の判断やフキダシ位置の変更作業は谷口氏自身がやっているのかな。

 そして、反転されたコマでも、背景に文字が書き込んである場合は、正しく読めるように処理されている。下のコマに描かれているお品書きの文字に注目されたい。

menu-f.jpg menu-j.jpg

 正直、ここまでケアされているとは予想していなかった。昔の翻訳版漫画では背景の文字も一緒に反転されていたのを見てやるせない気持ちになった記憶があるが、現在はさすがに注意深く間違いを避けているのだな。まずは嬉しい。とはいえ書物以外の実際のフランス社会では、鏡文字の漢字や形が崩れた平仮名を見かけるのはいまだに珍しくない。
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Wickie und die starken Männer(小さなバイキング ビッケ)
2009-10-08-Thu  CATEGORY: 映画
Michael Herbig 監督(2009 独)
vicky.jpg

 バルセロナの街角で広告ポスターを発見。そうか、ビッケも実写映画になったのですか…。

 調べたら、ドイツの映画だった。[公式サイト]



 ルーネル・ヨンソンの原作を直接映画化したとも考えられるが、ビッケがアイデアを思いついた時の背景効果など見ると、やはり日本のテレビアニメのビッケ(1974)が下敷きになっていると見てよい。

 今回の場合は、自分の中で「ちがーう!」という拒否反応よりも「ちょっと見てみたいかも」という興味がわずかに勝っているようだ。日本語か英語バージョン希望。
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Le Petit Nicolas(プチ・ニコラ)(その2)
2009-09-20-Sun  CATEGORY: テレビ番組
 以前に話題にした『Le Petit Nicolas』のテレビアニメが、9 月 13 日から M6 で 始まりましたよ。





 原作の簡素な線描画からほど遠い CG 絵を見た時、自分のように「ちがーう、こんなのニコラじゃなーい!」と叫びたくなった原作読者は多いと思う。(サブタイトルバックや主人公の空想シーンにだけ、あえて原作に近いタッチの線描のアニメーションを使っているのは、そんなファンへのちょっとした配慮かもしれない)
 CG アニメによく見られることだが、動きは幾何学的で、やや自然さに欠ける。時間と予算に限りのあるテレビアニメの製作現場では自然な動きを実現するのは難しいかもしれない。

 しかしながら、見ているうちに作品世界に容易に入り込めた。
 セルアニメにない自由なカメラワークや細かい小道具の動きが、コドモ達の強い喜怒哀楽や充実した日常をよく表しているように感じた。思ったより面白い。

 故ルネ・ゴシニ(原作の文章担当者)の娘のアン・ゴシニ氏が、テレビ番組雑誌のインタビューの中で、今まで長い間アニメ化を認めなかった理由や、実際にアニメ作品を見た感想について語っていたので、一部引用・和訳してみる。(自分のフランス語の勉強も兼ねて)

Je pensais qu'on ne pouvait pas l'adapter car le trait de Sempé est très marqué et le texte, très littéraire. Je craignais que l'animation n'apporte rien. Mais l'avènement de la 3D a permis de faire des choses différentes. (...) Les créateurs n'ont pas cherché à faire du Sempé, ils ont mis leur patte et se sont fait plaisir: c'était essentiel pour faire quelque chose de bien. (TV Grandes Chaînes No.142 p.35)

 私はこの作品の脚色は無理だと思っていました。サンペ(引用注:原作の作画担当者)の描線は非常に特徴的ですし、文章はかなり文学寄りですからね。アニメ化によって得るものは何もないのでは、と心配していました。ところが 3D 技術の出現は別のものを生み出すことを可能にしたのです。(…)スタッフはサンペの世界を再現しようとするのではなく、独自の立場で楽しい作品を作り上げました。これは良いものを作るためには必須なことでした。


 なるほど。3D アニメだと聞いただけで毛嫌いした私は心が狭かったです。反省。
 ちなみに実写映画も 9 月 30 日から上映される。
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Mia et le Migou(ミアとミグー)(その2)
2009-08-16-Sun  CATEGORY: 映画


 今回はアラ探しから。

 ゼネコンによる自然破壊というテーマは、正直言って新しくはない(今、地球環境にとって最大の悪玉と広く認識されているのは、土地開発よりは CO2 ではないか?)。それと、南米の素朴な村から始まったにしては、話をちょっと広げ過ぎだな、という気はした。まさか『地球最期の日』みたいな大規模な展開になるとは思わなかった。

 ジブリの影響を強く受けていると言われるジレール監督。そういう目で見ると本作にもいろいろな点でジブリ作品との類似点が見られる。
・不思議な生き物たちが自然を守るため工事現場を妨害する → 平成狸合戦ぽんぽこ
・テクノロジーと自然の神秘の対比 → もののけ姫
・主人公と仲良くなる図体の大きい生き物 → トトロ
・穴に詰まっている泥の塊を引っこ抜いて浄化 → 千と千尋
・もしかすると、出稼ぎに行ったまま消息不明の親を一人で探しに行くという筋は、名作劇場の『母をたずねて三千里』の影響ではないか、と勘ぐったりもできる。まあ原作小説(『クオーレ』)から直接着想を得たのだろうと言われればそれまでだけど。

P8150014.jpg そういうこともあって、作品としては最大級の評価はできない。
 それでも自分がこの映画のファンになったのは、やはり登場人物(とくにミア)の造形と仕種が好みだったという理由が大きいのだろう。悪役の社長やその周辺の人物にすら人間臭い魅力が感じられ、心底イヤな感じを与える人物は登場しない。
 小説本の付録ページに、ミアのキャラクターデザイン決定までの素案がいくつか載っていた。「豊かな黒髪、意志の強そうな目」という特徴は決定案と共通しているのに、伝わってくるものが全然違う。他の案が採用されていたら私は映画を見ていなかっただろう(同じ事をブログに書いている人がおられて、ちょっと可笑しかった)。キャラクターは大切なんだな。

 さてフランスのアニメがあまり入ってこない日本では、残念ながら本作もいまだ上映の話はないようだ。萌え絵からは遠いとはいえ、日本人好みの絵やキャラだと思うのだが、どうだろう。
 もし邦題をつけるとしたら『ミアとミグー』ではちょっと集客力が弱そうだ。それにミグーは1人でなく種族のようなもの(だから定冠詞 le がついている)。Arthur et le Minimoys の邦題を、少し言葉を足して『アーサーとミニモイの不思議な国』とつけたように、何か適切な邦題をつけたい、と勝手にいろいろ考えてみる。
 『ミアと森のミグーたち』
 『ミアと山の聖霊ミグー』
 『ミアとミグーといのちの樹』
 『ミアと山男』
 『ミアと秘密の湖』 …
 難しいね。まあそんな邦題でなくてもいいから、何かの機会に日本に紹介してもらえないでしょうか。もし日本語吹き替えの DVD が出たら……帰国時にレンタルで見たいと思います。(2008. 12. 13 鑑賞)

■ Mia et le Migou 公式サイト
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