出国準備の記録を経て、いまはフランス滞在日記。
ロワールの曲がり角で
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『Spirou et Fantasio』(スピルーとファンタジオ)
2008-07-14-Mon  CATEGORY: バンドデシネ
 『ケスク…』の続きはまた今度ね。今はスピルーのことを書きたい。まずは、トゥールの駅前通りの本屋の中で撮ったこちらの写真からご覧下さい。

P3050031s.jpg

 2名の若者が和服を着ている(足袋のあたり、違和感もあるけれど)。そして背景にうっすらと日本語の文字が書かれているのがおわかりだろうか。これはバンドデシネ『スピルーとファンタジオ』シリーズの第 49 作『Spirou et Fantasio a Tokyo(スピルーとファンタジオ、東京へ)』(作:Morvan、画:Munuera、2006 年 9 月発表)の宣伝ポスター。1 m x 1.5 m くらいの大きいもの。
80714a.jpg 撮影したのは最近だが、じつは私は2年前にシャルル=ド=ゴール空港の売店でこの本を購入していた。帰国してネットでいろいろ調べて、この作品シリーズが実に長い歴史を持っていることを知ったのだった。

 日記にも書いたけれど、スピルーのキャラクターは 1938 年に誕生している。日本では『のらくろ』が少年倶楽部で連載中の頃だ! その後じつに 70 年、描き手を代えながら、現在もなお続いている。画家が変わると絵柄もガラッと変わるのが面白い。描き手の変遷や過去のアルバムの表紙などの歴史は作品公式ページに詳しい。
 こういう国だから、40年前の人形劇が全然違うキャラで 3D アニメで復活しても誰も異を唱えないのだろう。

Spirou_redsuit.jpg スピルーは誕生時はもともとホテルのボーイだった。いつもホテルの赤い制服を着ている。ちょっと 21 エモンの雰囲気あり。やがてジャーナリストとなり、相棒・ファンタジオとともに『タンタン』よろしく世界のあちこちで事件に巻き込まれ大活躍するという筋。ホテルボーイでなくなった後も、基本的に赤い服を着て登場する。上のポスターでいうと、赤い着物がスピルー、青がファンタジオ。

 『a Tokyo』の作者はこの作品を描くために来日取材していて、現代の東京の町並みなどはかなり忠実に描かれている。JR の駅のホームで京浜東北線から大勢の乗客がすごい勢いで降りて、そのまま反対のホームの山手線に乗り込む様子などに笑ってしまった。多少誇張はあるが東京の真の姿だ。なるほどフランス/ベルギー人にとっては珍現象なのだろうね。
 この老舗シリーズが日本を舞台に選んでくれたことは嬉しい。しかし Wikipedia(英語版)によるとこの『a Tokyo』の売れ行きが芳しくなかったため、この作者コンビによるスピルー制作は打ち切りになってしまったとか。うーん、何がいけなかったんだろう…。

 ところで本来のシリーズとは別に、スピルーの関わるバンドデシネのシリーズがあと2種類、刊行中である。
80714b.jpg 1つは『Le Petit Spirou(ちびっ子スピルー)』。現在 13 巻まで刊行。私とこのシリーズとの出会いは青年スピルーよりも早く、10 年くらい前に金沢市の図書館で開かれたバンドデシネ展で見た。ちびスピルーのあまりのエロガキぶり、自由奔放さが強く印象に残り、この本を欲しいと思ったのを覚えている(もちろんフランスに住み始めて早速探し出し購入した)。
 主人公・ちびスピルーは、wikipediaによると青年スピルーの子供時代ということだが、青年スピルーの息子と書いているブログもあるね。たしかに時々登場するちびスピルーの親父の後ろ姿は青年スピルーにそっくり(ただし顔は見えない)だし、ちびと青年の2人のスピルーの性格が違いすぎるという意見もあるそうで。まあねえ。

80714c.jpg もう1つは『Une aventure de Spirou et Fantasio par...』と銘打ったシリーズ。これは他のバンドデシネ作家に自分なりのスピルーを描いてもらおうという企画(日本で『ブラックジャック』で似た企画をやってましたね)。最近4冊目(作画:Emile Bravo)が刊行されたが、これが異色作で、舞台は 1939 年に設定され、ホテルで働くスピルーたちの日常と第二次大戦の暗い影が交差する、他の巻にないシビアな物語のようだ。
 絵柄はマンガチックだが古典っぽくて、最初見たとき本当に戦前に描かれたのかと思ったよ。
 で、私はいまこれを読み進めているところ。

 そんなふうに、スピルーはいろいろ企画を立てたくなるような扱いやすいキャラクターであり、結果いくつかの作品間の設定に矛盾が生じても構わないと見なされているようだ。メインシリーズなんかサザエさん時空だし。だからちびスピルーが成長して青年スピルーになるのかどうかといった問題も、パラレルワールドの話だと考えてあまり気にしないのがよいかも。
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